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研修医・医学生へのご案内

診療/研究活動

心血管救急・集中治療グループ

心血管救急疾患の初療から集中治療までを極めるグループです。

 

専従の循環器内科医による心臓血管集中治療室当施設の特徴は、本邦では珍しい、専従の循環器内科医による心臓血管集中治療室(12床)で、学会専門 医研修施設、指導医は循環器専門医+集中治療専門医の資格を有していることです。治療対象は循環器救急疾患(急性心筋梗塞、不安定狭心症、急性大動脈解 離、重症肺塞栓症、致死性・難治性不整脈、急性心不全、劇症型心筋炎など)ですが、敗血症、呼吸不全、腎不全など重症併存疾患の合併に対しても、感染・輸 液・栄養管理、血糖や鎮静・鎮痛コントロールなどを含めた、キメの細かい全身管理・集中治療を行います。他科との連携も良好で、救命救急センター、心臓血 管外科、IVRチーム、麻酔科ECMOチームなどと常にディスカッションを行っています。

 

豊富な症例数、Varietyに 富んだ重症患者が経験可能2番目の特徴は、症例数が豊富であること、さらにCCUネットワークや救命救急センター経由、あるいは総合診療科から紹介など、 極めてVarietyに富んだ重症患者を経験することができます。昨年8月に新病棟へ移転したばかりで、真新しい環境で研修できます。我々と一緒に、循環 器救急・集中治療を学びませんか。長期(数年)から短期(数か月)研修までご希望に合わせます。とくに、救急医で循環器救急の症例経験を増やしたい方、循 環器内科医で、循環器集中治療、全身管理の経験を積みたい方に好適です。これまで多くの救急医、循環器内科医の先生方が研修にこられています。

不整脈グループ

日本医科大学循環器内科の不整脈グループは、清水主任教授を筆頭として、総勢6名のスタッフと3名の大学院生で不整脈の臨床・研究を行っております。特に、不整脈治療の柱の一つであるカテーテルアブレーションは20年以上の歴史があり、治療実績は年間400件を超え、東京都内の施設で1、2位を争うハイボリュームセンターとなっています。日頃より関連病院や近隣のクリニックの先生方より多くの不整脈患者の紹介を頂き病診連携も盛んで、多数のアブレーション症例が集まってきます。当科不整脈グループでは、専修医2年目よりカテーテルアブレーションの術者として治療に参加してもらいます。通常では卒業8~10年目に施行する心房細動のカテーテルアブレーションも卒業4~5年目より積極的に術者として経験を積んでもらい、3~4年間で一人の術者として治療に当たれるような教育システムをとっています。10年目で不整脈専門医取得を目指すのに十分な知識と症例と経験を得ることができます。アブレーションデバイス機器の臨床治験施設としても参加しており、最先端のデバイスに触れる機会も多いのも特徴です。

 

遺伝性不整脈の世界的権威である清水教授の外来には、全国からQT延長症候群、Brugada症候群をはじめとする多くの遺伝性不整脈患者の紹介があり、他施設では診察する機会がないような症例を多く経験することができます。

ペースメーカー、植込み型除細動器、心臓再同期療法といったデバイス治療も不整脈グループの大きな仕事の一つです。デバイス機器の植込み適応の判断、実際の植込み、退院後のデバイス外来と、症例ごとのきめ細かいフォローアップを行っております。デバイス植込みに関する技術や知識の習得を目的として、専修医のうちからデバイス手術の助手として手術にあたってもらいます。また、トレッドミル運動負荷試験、加算平均心電図、ヘッドアップチルト試験を行っており、不整脈診断に関する検査を習得することができます。
心臓血管集中治療科とも密な連携をとっており、抗不整脈薬による不整脈管理や、薬剤抵抗性の重症心室性不整脈に対して緊急でアブレーションを行う体制を整えています。他施設で治療困難な不整脈についても、心臓血管外科と協力して開胸でのマッピングにより治療にあたっています。

 

日本不整脈心電学会の中でも当科は主要な役割を担っており、様々な研究会・学会活動を行っております。専修医の期間中に症例報告のみならず不整脈に関連する研究テーマが個々に与えられ、盛んに研究会・学会活動を行っています。国内の学会にとどまらず、国際学会にも積極的に参加しており、不整脈グループに所属する大学院生はすべて国際学会での発表経験があり、グローバルな舞台で活躍しています。4年間で論文を執筆し医学博士を取得できるプログラムとなっています。

 

海外留学についても、基礎研究から臨床研究まで幅広いテーマで、米国、カナダ、フランスと多くの研究室とコネクションがあり、世界最先端の研究に携わる機会があります。

不整脈というと、“とっつきにくいイメージがあるかもしれません。しかしながら、当科の不整脈グループは、不整脈を心臓電気生理学的側面からのみ捉えるのではなく、様々な角度から不整脈を観察し、多様なテクノロジー、幅広い知識を駆使した研究を行っています。PETやMRIなど各種モダリティを利用した不整脈研究や、心不全と不整脈、睡眠時無呼吸症候群と不整脈の関係など、循環器内科のなかでも多岐にわたる領域のテーマで臨床・研究を盛んに行っております。循環器内科の専門グループと合同で診療や研究にあたっており、グローバルな不整脈治療をモットーにしております。

心臓リハビリテーショングループ

「先進医療としての心リハをめざして」が我々の掲げるテーマです。

心臓リハビリテーション(心リハ)は比較的若い循環器分野ですが、学会の規模は年々大きくなり、現在は会員数13000人を超える循環器領域有数のもので、また循環器科を有するほとんどの基幹病院で実施されている循環器診療の一つの柱です。

心リハとは、運動療法だけではない、あらゆる非侵襲的な検査・介入を用い循環器疾患を包括的に管理する循環器診療です。近年の循環器診療の進歩に伴う侵襲的治療の普及・重症心疾患患者の予後改善による重症患者の長期管理の必要性・入院期間短縮などの医療環境に変化により、心リハにはさらに多くのことが求められるようになっています。

 

「先進医療としての心リハをめざして」。これは、心臓リハビリテーショングループ(狭心症班)の先輩である岸田浩先生が大会長として開催された2007年度日本心臓リハ学会学術集会のテーマです。我々は、心リハ学会において理事や学会委員会委員長などなど中枢に位置した立場から、心リハ学の進歩に関わっています。また、高血圧症・睡眠時無呼吸症など、循環器疾患の周辺に位置し病態に影響を与える疾患の研究・診療も得意とする分野です。我々はこれからも、循環器診療における総合診療科として、広い視野から循環器学を追求し、循環診療における先進的な役割を果たしたいと考えています。

末梢血管グループ

循環器内科・末梢血管グループは、動脈硬化性の末梢動脈疾患のみでなく、バージャー病や膠原病に由来する動脈疾患、静脈うっ滞性皮膚炎など、末梢動脈及び静脈に関連するすべての疾患を診療対象としています。当グループは「患者さん自身の足で歩いて退院する」を治療目標に、血管内治療などの標準的な治療に加えて、高気圧酸素治療や血管新生治療による専門的治療を行っています。そのため、他院で救肢困難と宣告された患者さんが日本中から数多く集まってきています。

 

自己骨髄細胞移植による血管新生治療は、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性壊疽、バージャー病などによる下肢血流不全で潰瘍や壊疽が生じ切断以外に治療法が無い患者さんや、更に治療が難しい膠原病やリウマチなどの難病疾患による潰瘍病変に対して行い、良好な成績を上げています。また、京都大学再生医科学研究所との共同研究として、筋肉内注射のみで血管新生効果のあるDDS徐放化b-FGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)蛋白による血管再生治療や、多血小板血漿の徐放化投与による血管再生治療を臨床応用しています。非侵襲的治療としては、末梢動脈疾患に対する低出力衝撃波による血管新生療法も行っています。さらに本邦初の本格的昆虫医療として、医療用無菌ウジを用いたマゴットセラピー(医療用ウジ療法)を開発し、治療抵抗性の潰瘍・壊疽の患者さんに対して臨床応用しています。

 

当グループは診断から治療、併存する合併症や全身管理など、「血管から全身を全人的に診療する」を診療のモットーとしています。そのため、各種血管検査法(カテーテル検査、エコー、核医学検査)に加え、糖尿病診療や栄養管理などの診療と指導も行っています。循環器専門医、脈管専門医の取得に加えて、糖尿病専門医、再生医療認定医の取得が可能です。

 

研究内容も多彩で、血管内治療に関するものから、血管新生治療、高気圧酸素治療の有用性や、マゴットセラピーなどの創傷治癒に関するものなどがあります。臨床研究だけでなく、組織工学を応用した生体吸収性の人工血管の開発といった基礎研究も行っており、東京農工大学、徳島大学、米国オハイオ州立大学との共同研究が進んでいます。また、オハイオ州立大学へは、継続的に留学生を派遣しており、日本のみならず世界に活躍の場を広げています。

 

循環器領域において末梢血管分野は主要な領域では無いと思うかもしれません。しかし埋もれている重要な知見があり発展する余地が大きく、自分たちの研究内容が今後の医療を変える可能性のある分野とも言えます。「血管から全身を診る」を合言葉に、末梢血管の診療に一緒に携わってみませんか?

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